東武スカイツリーライン越谷駅の高架下に位置する駅商業施設「EQUiA越谷」の、フェーズ3西側エリアの環境デザインである。本計画は段階的に進めてきた高架下店舗更新の最終期にあたり、このフェーズ3をもって一連の更新が完結した。
高架下の商業空間は機能的である一方、構造体や設備が露出した無機質な環境になりやすい。また、店舗ごとのファサードやサインが個別に主張することで、空間全体のつながりも失われがちである。フェーズ1では、旧日光街道の宿場町に見られた軒を、人を迎え入れる装置として現代の駅空間に読み替え、木質の軒下空間をつくった。フェーズ2ではその考え方を駅の東側へ展開し、複数の店舗を一つの街路としてつなぐことで、駅から離れた店舗にもトラフィックが届くようにした。
フェーズ3の西側エリアは、駅コンコースと西口広場に面し、それぞれ異なる空間的な制約を受けている。西口側では、コンコース西口の大屋根とバス停によって軒の高さが制限されたため、これまでの勾配を持つ軒とは異なるフラットな形状とした。抑えられた高さの軒が店舗の前面に連続することで、高架や駅施設の大きなスケールと、歩行者の身体的なスケールとの間を調整している。
一方、駅改札横では庇を出すことができないため、壁面上部を木で仕上げ、軒に用いた素材を垂直面へと置き換えた。形状や取り付く位置が異なっても、木の表情を連続させることで、西口広場からコンコースまでを一つの環境として感じられるようにしている。
個々の店舗がそれぞれの表情を持ちながらも、その上部を木質の帯がつなぐことで、ばらばらになりやすい商業ファサードに共通の秩序を与えた。また、軒先に沿って組み込んだ照明は、昼間には通路の輪郭を整え、夜間には駅前に温かな光の帯をつくり出している。
フェーズ1から継続してきた軒の考え方を、西側エリアの条件に応じてフラットな軒や壁面の仕上げへと展開した。軒という一つの形式を反復するのではなく、それぞれの場所に応じて形状や高さを調整しながら木の表情をつなぐことで、駅の内外に連なる店舗群を一つの街路として結び直した。
- 敷地:埼玉県越谷市
- 用途:商業施設(飲食店舗等)
- 竣工:2026.05
- 延床面積:460㎡
- 環境デザイン:株式会社キー・オペレーション
- 設計:株式会社オー・エヌ・オー 大野設計
- 施工:東武谷内田建設株式会社


